「オーディオインターフェース(パソコンとマイクや楽器をつなぐ機器)を買おうと思ったら、FocusriteとUniversal Audioのどちらが良いのか迷ってしまった」——DTMを始める際に、そんな悩みを抱える初心者の方はとても多いです。
2026年現在、DTM入門向けとして最もよく名前が挙がる2モデルが、Focusrite Scarlett 2i2 4th GenとUniversal Audio Volt 176です。どちらも「2入力・2出力」の使いやすいサイズで、価格帯もある程度近く、初心者がどちらを選べばいいか判断しづらいのも無理はありません。
この記事では両製品の特徴・スペック・向き不向きを徹底比較し、あなたの用途に合った1台を選ぶための具体的な基準をわかりやすく解説します。
そもそもオーディオインターフェースとは?
DTMに必ず必要な理由
オーディオインターフェースとは、マイクや楽器から入ってきたアナログ音声信号を、パソコンで扱えるデジタルデータに変換する機器です。逆に、DAW(音楽制作ソフト)で作ったデジタル音声をスピーカーやヘッドホンで聴けるアナログ信号に変換する役割も担っています。
パソコンに内蔵されたサウンドカードでも音は出ますが、ノイズが多く音質も低いため、本格的な録音・制作には専用のオーディオインターフェースがほぼ必須です。
初心者が注目すべき3つのポイント
DTMを始める方がオーディオインターフェースを選ぶ際に押さえておきたいのは以下の3点です。
- 音質(マイクプリアンプの性能):録音した音がクリアかどうかを左右します
- レイテンシー(音の遅延):弾いた音がモニターから出るまでのタイムラグ。小さいほど演奏しやすい
- 付属ソフトウェア:DAWや音源が同梱されているかどうか
Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen の特徴
世界で最も売れているオーディオインターフェース
Focusriteは1985年に伝説的な音響エンジニアであるルパート・ニーヴ氏によって設立されたイギリスの音響機器メーカーです。プロスタジオ向け機器で培った技術を背景に生み出された「Scarlettシリーズ」は、「世界で最も売れているオーディオインターフェース」と称されることもあるほどのヒット製品です。
第4世代(4th Gen)では、Focusriteのフラッグシップモデル「RedNet」譲りのAD/DAコンバーター(アナログとデジタルを相互変換する回路)を搭載し、エントリーモデルの枠を超えたスペックを実現しています。
主な仕様・スペック
- 入出力:2イン / 2アウト(マイク/ライン入力×2、XLRコンボジャック)
- AD/DA解像度:24ビット / 192kHz(プロスタジオと同等の録音品質)
- マイク入力ダイナミックレンジ:116dB(公式仕様より)
- Airモード:ボーカル録音時に高域の透明感・存在感を加えるFocusrite独自機能
- ダイレクトモニタリング:レイテンシーゼロで自分の声や演奏をリアルタイム確認可能
- 付属ソフト:Ableton Live Lite、Pro Tools Artist(90日間)、プラグイン多数
Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen
メリット・デメリット
フラッグシップ譲りのコンバーターで音質が向上(第4世代)
Airモードでボーカルに透明感・抜け感を加えられる
ラウンドトリップレイテンシー(往復遅延)がVolt 176より低いと一般的に評価されている
付属ソフトが豊富でDTM環境をすぐに構築できる
世界的シェアが高く、日本語の解説記事・動画が非常に多い
ヴィンテージ感のある「温かみ」のある音色は苦手
デザインが「赤くてシンプル」で好みが分かれることも
Airモードとは、Focusriteの往年の名機「ISA」トランスの音色を再現した機能で、オンにするだけでボーカルや楽器の高域に自然な輝きが加わります。ボーカル録音が多い方に特におすすめです。
Universal Audio Volt 176 の特徴
アナログ機器の老舗が作ったオーディオインターフェース
Universal Audio(UA)は、名機コンプレッサー「1176」や「LA-2A」で知られる、アメリカの老舗アナログ音響機器メーカーです。プロスタジオで長年愛用されてきたアナログ機材の技術を現代の小型インターフェースに注ぎ込んだのが「Voltシリーズ」です。
「Volt 176」という名前は、UAの伝説的なコンプレッサー「1176」にちなんでおり、そのビンテージコンプレッサーの回路を実際にインターフェースに内蔵しているのが最大の特徴です。
主な仕様・スペック
- 入出力:1イン / 2アウト(マイク/ライン/ハイインピーダンス入力×1)
- AD/DA解像度:24ビット / 192kHz
- Vintageモード(ビンテージ・プリアンプ・モデリング):1176スタイルのアナログ的な温かみを加える
- ビルトイン1176スタイルコンプレッサー:ハードウェアコンプを内蔵(録音時に使用可)
- 付属ソフト:Ableton Live Lite、UAD Spark(プラグインサブスク)トライアル版など
メリット・デメリット
ビンテージ・プリアンプ・モデリングで温かみのある音色が得られる
1176スタイルのハードウェアコンプを内蔵しており、録音時に自然なダイナミクス(音の強弱)コントロールが可能
UAブランドの高品質なプリアンプ設計
シンプルなデザインで操作しやすい
入力が1系統のため、同時に2本のマイクや楽器を繋ぐことができない
Scarlett 2i2と比較してラウンドトリップレイテンシーがやや高いとされる
日本語の解説情報がScarlett 2i2に比べてやや少ない
Volt 176は入力が1系統のみです。「ギターを弾きながら歌も同時に録音したい」「友人と一緒に2本のマイクで録音したい」という場合は2入力のScarlett 2i2の方が向いています。
スペック・機能 徹底比較表
| 比較項目 | Focusrite Scarlett 2i2 4th Gen | Universal Audio Volt 176 |
|---|---|---|
| 入力数 | 2(マイク/ライン×2) | 1(マイク/ライン/Hi-Z) |
| 出力数 | 2 | 2 |
| AD/DA解像度 | 24bit / 192kHz | 24bit / 192kHz |
| マイクプリの傾向 | クリア・現代的・フラット | ヴィンテージ・温かみ・アナログライク |
| 特徴的な機能 | Airモード | Vintageモード+1176スタイルコンプ内蔵 |
| レイテンシー | 低い(優位) | やや高め |
| コンバーター | RedNet譲りの高品質AD/DA | 高品質AD/DA |
| 付属DAW | Ableton Live Lite + Pro Tools Artist | Ableton Live Lite |
| 付属プラグイン | Focusrite製プラグイン多数 | UAD Sparkトライアル等 |
| 日本語情報量 | 非常に豊富 | やや少なめ |
| こんな人向け | ボーカル・ポップス・2本同時録音 | ロック・ヴィンテージサウンド志向 |
| Amazonでの参考価格 | 約28,600円(2026年5月時点) | 最新価格は公式・Amazonでご確認を |
※価格は変動しますので、購入前に必ず最新価格をご確認ください。
用途・目的別おすすめの選び方
「クリアな音で録音したい・ボーカル重視」ならScarlett 2i2
ポップス・J-POP・弾き語り・ポッドキャストなど、クリアで現代的なサウンドを求める方にはScarlett 2i2 4th Genが向いています。Airモードをオンにするだけで、ボーカルに自然な透明感が生まれるため、宅録ボーカリストにも人気です。
また、日本語の解説動画・記事が非常に多いため、「分からないことが出てきたらすぐ調べたい」初心者の方にも特に安心です。
「温かみのあるヴィンテージサウンドが好き」ならVolt 176
ロック・ブルース・シンガーソングライターなど、アナログ的な温もりや太さのある音が好きな方にはVolt 176が魅力的です。特に、内蔵された1176スタイルのコンプレッサーは、ソフトウェアのプラグインとは異なるアナログ的なダイナミクス処理(音の強弱を自然に整える効果)を録音段階から加えることができます。
「コンプレッサー」とは、音量の大きい部分を自然に抑えてダイナミクスを整えるエフェクトです。Volt 176はこれをハードウェアとして内蔵しているため、録音時から音に「ノリ」や「まとまり感」を加えられます。
「2本のマイクや楽器を同時に繋ぎたい」なら迷わずScarlett 2i2
友人と一緒にデュエットを録音したい、ギターと歌を別々のマイクで同時収録したい、という場合はVolt 176では対応できません(入力が1系統のみ)。この場合はScarlett 2i2一択です。
初心者が迷ったら「Scarlett 2i2」を選ぶのが無難
総合的に見ると、DTMをゼロから始める方にはScarlett 2i2 4th Genが最もバランスが良く、失敗しにくい選択肢です。付属ソフトの充実度、日本語情報の多さ、2入力の柔軟性、レイテンシーの低さなど、初心者にうれしい要素が揃っています。Volt 176は「ヴィンテージサウンドへのこだわりがある中・上級者志向の方」に特に輝くモデルです。
Scarlett 2i2 4th Genは付属DAW「Ableton Live Lite」と豊富なプラグインがバンドルされており、購入後すぐに音楽制作を始められます。追加投資なしで本格的な制作環境が整う点は、初心者にとって大きなメリットです。
導入前に確認しておきたいこと
接続端子・対応OS
どちらのモデルもUSB-Cでパソコンと接続します。Windows・Macの両方に対応していますが、OSのバージョンによって対応状況が変わることがあるため、購入前に公式サイトで対応OSを確認することをおすすめします。
ドライバーのインストール
Scarlett 2i2はWindowsでは専用ドライバーが必要です(Macではドライバーレスで動作することが多い)。Volt 176も同様です。初心者の方はセットアップ手順を公式サポートページで事前に確認しておくと安心です。
オーディオインターフェースはパソコンに接続した後、ドライバーやアプリのインストールが必要なことがほとんどです。購入後すぐに使えると思い込んで本番録音の直前に開封……というのはトラブルのもと。余裕をもって事前にセットアップしましょう。
マイクのファンタム電源(+48V)
コンデンサーマイク(高感度で繊細な録音ができるマイク)を使う場合、ファンタム電源(+48V)という電力供給機能が必要です。Scarlett 2i2・Volt 176ともにファンタム電源に対応していますので、この点は問題ありません。
まとめ:あなたに合った1台を選ぼう
- Scarlett 2i2 4th Gen:クリアな音質、Airモード、2入力、低レイテンシー、豊富な付属ソフト。初心者に最もおすすめのバランス型
- Volt 176:ヴィンテージ・プリアンプモデリングと1176スタイルコンプ内蔵。温かみのあるアナログサウンド志向の方向け(入力は1系統のみ)
- どちらも24bit/192kHzのプロ品質に対応、USB-C接続でシンプルに使える
- 迷ったらScarlett 2i2 4th Gen:情報量・付属ソフト・入力数・レイテンシーすべてで初心者フレンドリー
- ヴィンテージサウンドにこだわりがあるならVolt 176の独自性は魅力的
DTMを始めるにあたって、オーディオインターフェース選びは「最初の大きな決断」のひとつです。しかし、今回紹介した2機種はどちらも高品質で、後悔しにくい選択肢です。自分の音楽スタイルや用途、重視するポイントを今一度振り返りながら、ぴったりの1台を選んでみてください。
まずは最新価格をチェックして、一歩踏み出しましょう!
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参考・出典
本記事は、上記の公開情報をもとに作成しています。価格・仕様は変動するため、購入前に各公式サイト・販売店で最新情報をご確認ください。

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