DTMを始めようとしたとき、まず壁になるのが「DAWをどれにするか」問題です。DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)とは、音楽を作るための総合ソフトのことで、選択肢がたくさんあって当然迷いますよね。
なかでも Studio One 7 と Cubase 14 は、日本国内でのシェアトップ2と言われる有料DAWです。どちらも同じような立ち位置にありながら、設計思想や得意なことが異なります。この記事では、これからDTMを始める初心者の方に向けて、両者を機能・操作性・価格などの観点から比較し、「自分にはどちらが向いているか」を判断できるよう整理しました。
そもそもDAW選びで初心者が気にすべきこととは?
最初のDAWは「完璧」でなくてよい
初心者のうちは、どのDAWを使っても「機能が足りなくて困る」ことはほぼありません。CubaseもStudio Oneも、どちらも音楽制作に必要な機能は網羅されています。大事なのは「自分が続けて使えるか」です。
操作性と学習コストが重要
多機能なDAWほど最初は覚えることが多く、挫折しやすい面があります。「直感的に操作できるか」「日本語の情報・解説動画が豊富か」は、初心者にとって特に重要なポイントです。
無料体験版(デモ版)で試せる
両ソフトとも無料のトライアル版を公式サイトから入手できます。購入前に実際に触ってみることを強くおすすめします。
DAWはジャンルや用途よりも「自分が使い続けられるか」が最重要。まずはデモ版を試してみましょう!
Cubase 14とはどんなDAW?
30年以上の歴史を持つ業界標準ソフト
Cubaseはドイツ・Steinberg社(現在はYamaha傘下)が開発する、DTM黎明期から業界を牽引してきたDAWです。プロのレコーディングスタジオから自宅制作者まで、幅広く使われています。
Cubase 14の主な特徴
- MIDIの打ち込み精度が高く、細かい作り込みが可能
- 固有のピッチ補正機能「VariAudio」が搭載されており、ボーカル編集がしやすい
- コード理論に基づく作曲支援機能が充実
- プロ現場での信頼性・実績が高く、情報・教材が豊富
- 機能が多く、慣れるまで操作が複雑に感じやすい
- バグが引き継がれることがあり、PCの知識がある程度必要な場面も
エディションの種類(Cubase 14)
Cubase 14はグレードが3段階に分かれています。初心者が最初に検討するのは「Elements」か「Artist」が多いです(最新の価格は公式サイトまたは販売店でご確認ください)。
| グレード | 主な特徴 |
|---|---|
| Cubase Elements 14 | 基本機能を備えた入門版 |
| Cubase Artist 14 | 中級者向け。主要機能を網羅 |
| Cubase Pro 14 | フルスペック。プロ仕様 |
Studio One 7とはどんなDAW?
直感操作で人気急上昇のモダンDAW
Studio OneはアメリカのPreSonus社(現在はFender傘下)が2009年にリリースした比較的新しいDAWです。「直感的で速い」ワークフローを売りにしており、リリース以来急速にユーザーを増やしてきました。
参考情報によると、Studio One 7は2026年1月13日に「Fender Studio Pro 8」へ名称変更・アップデートされています。本記事ではキーワードに合わせてStudio One 7(Pro 7)の仕様を中心に解説しますが、購入前は必ず最新バージョンの情報を公式サイトでご確認ください。
Studio One 7の主な特徴
- ドラッグ&ドロップ中心のストレスフリーな操作感
- 作曲からミックス・マスタリング・リリースまで一気通貫で行える
- CDマスタリングページが標準搭載(他DAWにはない強み)
- クリップ(リージョン)の配置がGarageBandライクで初心者にわかりやすい
- Melodyneの下位版(ピッチ修正ツール)を内包
- MIDI分解能が他のDAWより浅く、MIDI 2.0未対応(参考情報による)
- 付属音源でベロシティ操作の細かい調整が難しい場合がある
Studio One 7 vs Cubase 14 徹底比較表
以下の比較表で、主要な観点を一気に確認しましょう。
| 比較項目 | Cubase 14 | Studio One 7 |
|---|---|---|
| 開発元 | Steinberg(Yamaha傘下) | PreSonus(Fender傘下) |
| 対応OS | Windows / Mac | Windows / Mac |
| 入門グレードの目安価格 | 最新価格は公式サイトで確認 | 最新価格は公式サイトで確認 |
| 操作の直感性 | △ 慣れるまで複雑 | ◎ 直感的で習得しやすい |
| MIDI編集の細かさ | ◎ 緻密な作り込みが可能 | △ 分解能が浅い面がある |
| ピッチ補正機能 | ◎ VariAudio(固有機能)搭載 | ○ Melodyne下位版を内包 |
| マスタリング機能 | △ 標準的 | ◎ 専用プロジェクトページあり |
| 付属音源・エフェクト | ○ 整音系揃う・飛び道具系も | ○ 幅広ジャンルに対応 |
| クリップ操作のしやすさ | △ スマートツールがやや繊細 | ◎ 感覚的に配置できる |
| 制作スピード感 | △ じっくり緻密に作るタイプ | ◎ サクサク形にできるタイプ |
| 日本語情報・教材の多さ | ◎ 圧倒的に多い | ○ 増加中 |
| 初心者のおすすめ度 | ○(情報量重視なら) | ◎(操作性重視なら) |
機能別に深掘り比較
MIDI編集:細かく打ち込みたいならCubase
MIDI(ミディ)とは、音符の情報をデジタルで記録する仕組みのことです。打ち込みで楽器の演奏を再現するときに使います。
参考情報によると、Cubase 14はMIDIの精度が高く「緻密に打ち込みできる」と評価されています。一方のStudio One 7はイベントリスト(音符の細かいパラメータ一覧)が搭載されておらず、MIDIの分解能も他のDAWより浅い点が指摘されています。
がっつり打ち込みで音楽を作りたい方、特にクラシック・ジャズ・アニソンなど音符の精度が重要なジャンルを目指す方には、Cubaseが向いていると言えます。
ピッチ補正:歌の音程を直したい場合
ピッチ補正とは、録音した歌声の音程のズレを修正する機能のことです。
- Cubase 14:「VariAudio」という固有のピッチ補正機能を搭載。フットワーク軽く使えてクラブミュージック的なアプローチにも向くと評されています。
- Studio One 7:業界で広く使われる「Melodyne(メロダイン)」の下位版を内包。他のDAWと同等以上の水準とされています。
どちらもボーカル録音のピッチ補正は可能ですが、Melodyneの上位機能(細かい倍音編集など)を使いたい場合は、別途アップグレードが必要になります。
マスタリング:Studio Oneが圧倒的に有利
マスタリングとは、曲を配信・CD化するための最終的な音量・音質調整のことです。
Studio One 7には「プロジェクトページ」と呼ばれるマスタリング専用の画面が搭載されており、CDマスタリングが標準でできます。書き出し時にラウドネスコンプレッション(音量の均一化処理)の設定項目もあり、他のDAWにはなかなかない強みです。
Cubase 14も書き出しの種類は一通り揃ってきていますが、マスタリング周りのトータルな環境ではStudio Oneに軍配が上がります。
Studio One 7は作曲・録音・ミックス・マスタリングまで一つのソフトで完結できる点が大きな強みです。初心者がいくつもソフトを使い分ける必要がなく、学習コストを抑えられます。
操作性・制作スピード:初心者はStudio Oneが習得しやすい
参考情報では、Cubase 14は「ゆっくりじっくりなイメージ」、Studio One 7は「サクサクざっくりなイメージ」と対比されています。
Studio One 7はドラッグ&ドロップでの操作が中心で、クリップ(音楽の断片)をアレンジ画面に配置する感覚がLogicやGarageBandに近く、初めて触れる方でも比較的スムーズに操作を覚えられます。
Cubaseは機能が豊富な分、操作方法を覚えるまでは制作スピードが上がりにくい傾向があります。ただし、覚えてしまえば緻密な作業ができる強みがあります。
日本語の情報・学習環境:Cubaseが圧倒的
Cubaseは歴史が長く、日本語の解説書・YouTube動画・ブログ記事が非常に豊富です。困ったときに検索すれば答えが見つかりやすい環境は、独学で学ぶ初心者にとって大きなメリットです。
Studio Oneも近年情報が増えていますが、まだCubaseには及びません。「わからないことをすぐ調べたい」という方はCubaseの情報量の多さが助けになります。
学習環境の充実度はDAWを続けるうえで意外と重要です。特に独学で進める場合、日本語情報が多いかどうかは大きな差になります。
価格・グレード比較
Cubaseのグレード構成
Cubase 14は「Elements(エレメンツ)」「Artist(アーティスト)」「Pro(プロ)」の3グレードがあります。初心者が最初に検討するのはElementsまたはArtistが多いです。また、学生・教職員向けのアカデミック版や、他DAWからの乗り換え向けクロスグレード版が存在します。最新価格は公式サイトや販売店でご確認ください。
Studio One 7のグレード構成
Studio One 7はサブスクリプション(定期課金)形式での提供が中心です。参考情報によると、年間約21,000円程度のサブスクが必要とされていますが(更新しないとバージョンアップが制限される可能性がある)、詳細な価格・条件は公式サイトでご確認ください。
Studio One 7はサブスクリプション形式のため、毎年更新費用がかかる可能性があります。長期的なコストを検討したうえで選びましょう。
用途・タイプ別おすすめ診断
こんな人にはCubase 14がおすすめ
- ピアノロール(MIDIの打ち込み画面)を使った細かい打ち込みをしたい
- クラシック・ジャズ・アニソン・バンドサウンドなど、音符の精度が重要なジャンルを作りたい
- 日本語の解説書や動画を参考にしながら学びたい
- VariAudioでボーカルのピッチ修正をフットワーク軽く行いたい
- プロの現場でも通用するソフトを使いたい
こんな人にはStudio One 7がおすすめ
- とにかく直感的に操作して、素早く曲の形を作りたい
- ループ素材(あらかじめ録音されたフレーズ)を組み合わせてトラックメイキングがしたい
- マスタリングまで一つのソフトで完結させたい
- EDM・ヒップホップ・ポップスなど、ビート中心のジャンルを作りたい
- GarageBandやLogicからの乗り換えを考えている
初心者がDAWを選ぶときの最終チェックリスト
- 無料トライアル版を両方試した? → 両ソフトとも公式サイトから無料で体験できます
- 学びたいジャンルは打ち込み重視? ループ重視? → 前者はCubase、後者はStudio Oneが向きやすい
- コスト(サブスク vs 買い切り)を確認した? → 長期的な費用を計算しておくと安心
- 日本語の学習素材が揃っているか確認した? → Cubaseは特に豊富
- オーディオインターフェースとの相性を確認した? → どちらも主要な機器に対応しているが、設定が複雑な場合もある
DTMを始めるにはDAWだけでなく、オーディオインターフェース(PCと楽器・マイクをつなぐ機器)も必要です。まだお持ちでない方は合わせて検討してみてください。
Focusrite Scarlett Solo
Yamaha AG03MK2
まとめ
- Cubase 14:MIDI打ち込みの精度が高く、日本語情報が豊富。細かく作り込みたい人・学習素材を重視する人向け
- Studio One 7:直感的な操作でサクサク作れる。マスタリングまで一気通貫。初心者が挫折しにくい操作性が魅力
- 初心者ならStudio Oneがとっつきやすいが、情報量・打ち込み精度ならCubaseが優位
- どちらも無料トライアルあり:まず両方触って「しっくりくる方」を選ぶのが最善
- Studio One 7は2026年1月に「Fender Studio Pro 8」へアップデート済み。購入前は最新情報を公式サイトで確認しよう
- 価格・グレードは変動する可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください
どちらが「正解」というわけではなく、自分の作りたい音楽スタイルや学習スタイルによって最適な選択は変わります。まずは無料のトライアル版を試してみて、「使っていて楽しい」と感じた方を選ぶのが一番の近道です。
DAW選びと合わせて、モニターヘッドホンやオーディオインターフェースも揃えると、より本格的なDTM環境が整います。初心者向けのセットアップ記事も参考にしながら、ぜひ音楽制作の第一歩を踏み出してみてください!
参考・出典
本記事は、上記の公開情報をもとに作成しています。価格・仕様は変動するため、購入前に各公式サイト・販売店で最新情報をご確認ください。

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