DTMを始めるとき、最初の壁になりやすいのが「オーディオインターフェース(パソコンとマイク・楽器をつなぐ機器)選び」です。数ある選択肢の中でも、Focusrite Scarlett Solo 4th GenとSteinberg UR22Cは、初心者に特に人気の2大モデル。どちらも「これ一台あれば始められる」という評判ですが、細かく見るとかなり性格が違います。
この記事では、2026年時点の最新情報をもとに、両モデルを機能・音質・付属ソフト・使いやすさなど複数の視点から比較します。「どちらを買えばいいかわからない…」という方が、読み終わった後に迷わず決断できるように書きました。
2つの製品をざっくり紹介
Focusrite Scarlett Solo 4th Gen とは?
Focusrite(フォーカスライト)はイギリスの老舗音響メーカー。Scarlettシリーズは世界中のDTM初心者・中級者に愛用されており、2022年に登場した第4世代(4th Gen)は音質・使いやすさともにさらに進化しています。
「Solo」という名の通り、入力端子はマイク用(XLR)×1+ギター/楽器用(フォーン)×1の2系統。一人で歌いながらギターを録るスタイルにぴったりのサイズ感です。
Focusrite Scarlett Solo 4th Gen
Steinberg UR22C とは?
Steinberg(スタインバーグ)はドイツの音楽ソフトウェアメーカーで、世界的に有名なDAW「Cubase」の開発元。UR22CはUSB Type-C接続に対応したURCシリーズのエントリーモデルで、独自のマイクプリアンプ「D-PRE」とDSPエフェクト機能が特徴です。
入力はマイク/ライン兼用×2(うち1系統はHI-Z対応)で、MIDIの入出力端子も備えています。
スペック・機能の比較表
| 比較項目 | Focusrite Scarlett Solo 4th Gen | Steinberg UR22C |
|---|---|---|
| 接続方式 | USB Type-C | USB Type-C |
| 入力チャンネル数 | 2(XLR×1、フォーン×1) | 2(XLR/TRS兼用×2) |
| マイクプリアンプ | 独自設計(第4世代進化型) | D-PRE(クラスA設計) |
| 最大サンプリングレート | 192kHz / 24bit | 192kHz / 32bit float |
| HI-Z入力(ギター直挿し) | ◎(専用端子あり) | ○(CH2のみ) |
| ダイレクトモニタリング | ○(ノブで調整) | ◎(MIXノブで細かく調整) |
| ヘッドフォン出力音量 | メインと共通 | 独立した専用ノブあり |
| MIDI入出力 | ✕ | ◎(IN/OUTあり) |
| DSPエフェクト | ✕ | ◎(コンプ・EQ・リバーブ等) |
| ループバック機能 | ○ | ○ |
| iPad等タブレット対応 | △(条件あり) | ◎(専用の電源供給端子あり) |
| 付属DAW | Ableton Live Lite ほか | Cubase AI ほか |
| 筐体素材 | 樹脂(軽量) | アルミ合金(堅牢) |
| 価格帯 | 公式サイト・Amazonでご確認ください | 公式サイト・Amazonでご確認ください |
最新の価格は変動することがあります。購入前に必ずAmazonや楽器店の公式サイトでご確認ください。
音質の違いを詳しく見る
Scarlett Solo 4th Gen の音質
第4世代では「Air」モード(サウンドをより明るく、プロ機材風に仕上げる音質補正機能)が搭載され、ボーカルや弦楽器の録音で透明感のあるサウンドが得られると評価されています。また、RIAA(フォノイコライザー)対応入力も新たに追加されており、レコードプレイヤーを直接つなぐことも可能になりました。
マイクプリの設計は独自の回路で、一般的に「クリアでフラットな音」「色付けが少なくどんなジャンルにも使いやすい」と評されています。
UR22C の音質
UR22CのD-PREはクラスA設計(電力消費を犠牲にしつつも低ノイズ・高音質を実現する回路方式)のマイクプリアンプで、暖かみのある音色が特徴と一般的に言われています。また、最大32bit float(浮動小数点)の録音に対応しており、録音後の音量調整やリカバリーに有利な点も見逃せません。
通常の録音では音が大きすぎると「音割れ(クリッピング)」が発生しますが、32bit floatは極めて広いダイナミックレンジ(音の大小の幅)を持つため、録音後にソフト上で音量を戻しても音割れが起きにくい特性があります。初心者が録音レベル管理に失敗しにくいという点でメリットがあります。
付属ソフト・機能の違い
Scarlett Solo:シンプルさと配信・制作の両立
Scarlett Solo 4th Genには以下が付属しています(公式情報より):
- Ableton Live Lite(DAW)
- Pro Tools Intro(DAW)
- Focusrite Pluginsパック(エフェクト・インストゥルメント)
- Antares Auto-Tune Access(ピッチ補正ソフト)
DAWを2種類から選べる点が魅力で、将来的にAbleton LiveやPro Toolsを使いたいと考えている人に特に向いています。ただし、本体にDSPエフェクト機能はなく、録音中にエフェクトをかけたい場合はパソコン側で処理する必要があります(レイテンシー=音の遅れが発生する場合があります)。
UR22C:Cubase連携+DSPエフェクトが強み
UR22Cには以下が付属しています(公式情報より):
- Cubase AI(Steinberg製DAW)
- Cubasis LE(iPad用DAW)
- Basic FX Suite(DSPエフェクトパック)
特筆すべきはDSPエフェクト機能です。DSP(デジタルシグナルプロセッサー)とは、パソコンに頼らず機器本体でエフェクト処理を行う仕組みで、ゼロレイテンシー(音の遅れなし)でコンプレッサー・EQ・リバーブをかけながら録音できます。ボーカルや楽器の録音時に自分の声・音にエフェクトをかけた状態でモニタリングしたい方には非常に便利です。
また、MIDI入出力端子を備えているため、MIDIキーボードやシンセサイザーなどのハードウェア機材をつなぎたい方にとってもUR22Cは優位です。
UR22CはDSPエフェクト・MIDI端子・独立ヘッドフォンノブを備え、機能の充実度では一歩リード。Cubase連携も強力です。
Scarlett Solo 4th GenはAirモードや複数DAW付属、シンプル操作が魅力。ボーカル・弾き語り用途の初心者に選びやすい一台です。
使いやすさ・デザインの違い
操作のシンプルさ
Scarlett Soloはノブ類がシンプルで少なく、「差してすぐ使える」感覚です。Focusriteが提供するドライバーソフト「Focusrite Control」もUIが直感的で、初めてオーディオインターフェースを触る人でも迷いにくい設計です。
一方、UR22CはDSPエフェクトの設定や「dspMixFx UR-C」ソフトウェアの操作に多少の学習が必要ですが、設定できることが多い分、使いこなすと録音の幅が広がります。
筐体・重さ
UR22Cはアルミ合金製の筐体で、ずっしりと安定感があります。参考情報によると、この重さがケーブルを差す際に本体がズレにくいというメリットになっています。Scarlett Soloは樹脂製で軽量コンパクト。持ち運びを重視するならScarlett Soloが有利です。
ダイレクトモニタリング
UR22Cはヘッドフォン出力とメイン出力の音量ノブが独立しており、スピーカーとヘッドフォンの音量を個別に調整できます。Scarlett Soloは共通ノブなので、スピーカー・ヘッドフォン間での細かな音量差を調整する際にひと手間かかります。
付属ソフトはバンドル内容が変更される場合があります。購入前に必ず公式サイトの最新情報を確認してください。
用途別・どちらを選ぶべきか
Focusrite Scarlett Solo 4th Gen が向いている人
- ボーカル・弾き語りの録音メインで、シンプルに始めたい
- Ableton LiveやPro Toolsに興味がある
- とにかく操作が簡単な機器を求めている
- 軽くてコンパクトな機器を持ち歩きたい
- レコードプレイヤーをつなぎたい(RIAA対応)
Steinberg UR22C が向いている人
- CubaseなどSteinberg製品との相性重視
- 録音中にDSPエフェクト(コンプ・リバーブ等)を使いたい
- MIDIキーボードやシンセなどハードウェア機材を持っている・買う予定がある
- iPadなどタブレットでも音楽制作したい
- 32bit floatで失敗しにくい録音環境を整えたい
- ヘッドフォンとスピーカーの音量を独立して調整したい
購入前に確認しておきたいこと
パソコンのUSB端子を確認しよう
両モデルともUSB Type-Cで接続しますが、古いパソコンではType-Aしかない場合も。その場合は変換アダプターやUSBハブが必要になります。UR22CはUSB Type-C→Type-Bの変換ケーブルが付属しています(公式情報より)。
DAWとの相性
UR22CはCubaseとの連携が特に最適化されており、設定の手間が少ないと言われています。他のDAW(GarageBand・FL Studio等)を使いたい場合でも基本的に動作しますが、DSPエフェクトの一部機能はSteinberg専用ソフト経由での操作が前提となります。
コンデンサーマイクを使う場合
両モデルともファンタム電源(+48V)に対応しており、コンデンサーマイク(感度が高く繊細な音を録れるマイクの種類)を使用できます。UR22Cはファンタムスイッチがリアパネルにあるため、誤操作しにくい設計になっています。
コンデンサーマイクは必ずファンタム電源が必要です。ダイナミックマイク(ライブ用のよく見る形のマイク)には不要なので、お持ちのマイクの種類を事前に確認しましょう。
まとめ:結局どちらがおすすめ?
- Focusrite Scarlett Solo 4th Genは「シンプル・軽量・Ableton/Pro Tools連携」が強みで、ボーカルや弾き語りを手軽に始めたい初心者に最適
- Steinberg UR22Cは「DSPエフェクト・MIDI端子・32bit float・Cubase連携」が強みで、多機能さを求める初心者や将来的な拡張を見据えた方に向いている
- 音質は両モデルともプロのレコーディング現場でも使われるレベルで、初心者用途では大きな差は出にくい
- ヘッドフォン音量を独立調整したいならUR22C、持ち運び重視ならScarlett Solo
- MIDIキーボード等のハードウェア機材を使う予定があるならUR22C一択
- 最終的には「付属DAW」と「使いたい機能」で選ぶのが一番迷わない
迷ったらこう考えてみてください。
- 「とにかくシンプルに歌や楽器を録りたい」→ Scarlett Solo 4th Gen
- 「録音しながらエフェクトをかけたい・MIDIも使いたい」→ UR22C
どちらも長年の定番機種ですので、選んだあとに「失敗した」と感じることは少ないはずです。ぜひ自分の用途に合った一台を手に入れて、DTMライフをスタートさせてください!
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参考・出典
本記事は、上記の公開情報をもとに作成しています。価格・仕様は変動するため、購入前に各公式サイト・販売店で最新情報をご確認ください。

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