「DTMを始めたいけど、ヘッドホンって何を買えばいいの?」
そんな疑問をお持ちの方へ、この記事ではDTM(デスクトップミュージック:パソコンを使った音楽制作)初心者が最初に買うべきモニターヘッドホンをわかりやすく比較・解説します。
普通の音楽鑑賞用ヘッドホンと何が違うの?価格はどのくらい必要?といった基本的なところから丁寧に説明しますので、安心して読み進めてください。
そもそも「モニターヘッドホン」って何?普通のヘッドホンとの違い
音楽制作に「モニター」が必要な理由
「モニターヘッドホン」とは、音楽制作・録音・ミキシング(複数の音を混ぜる作業)に特化したヘッドホンのことです。
一般向けの音楽鑑賞用ヘッドホンは、低音を強調したり、高音をきらびやかに聴こえるよう「味付け」がされていることが多いです。一方でモニターヘッドホンは、できるだけ原音に忠実にフラット(色付けなし)に再生することを目的として設計されています。
DTMで音楽を作るときは、「実際にどんな音が録れているか」「バランスはおかしくないか」を正確に把握する必要があります。味付けされたヘッドホンでは、実際とは違う音に聴こえてしまい、完成した楽曲が他の環境(スピーカーや別のヘッドホン)で聴くとバランスがおかしい…ということが起きてしまうのです。
モニターヘッドホンを使うと「自分が作った音の本当の姿」が聴こえるようになります。DTMでは音楽鑑賞用より、モニターヘッドホンが必須アイテムです。
開放型と密閉型、どっちを選ぶ?
モニターヘッドホンには開放型(オープンバック)と密閉型(クローズドバック)の2種類があります。
| タイプ | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 開放型 | 自然な音場・蒸れにくい・音漏れあり | ミキシング・長時間作業 |
| 密閉型 | 遮音性が高い・音漏れ少・こもりやすい | 録音・深夜作業・自宅制作 |
DTM初心者には密閉型がおすすめです。遮音性が高く、自宅などの環境音が入りにくいため、集中して作業できます。
初心者が失敗しないモニターヘッドホンの選び方
インピーダンス(抵抗値)をチェックしよう
ヘッドホンのスペックに「インピーダンス(音を鳴らす際の電気抵抗)」という数値があります。単位はΩ(オーム)です。
- 32Ω以下:スマートフォンやパソコン直差しでも使いやすい
- 80〜250Ω:オーディオインターフェース(パソコンと楽器・マイクをつなぐ機材)との組み合わせで実力発揮
DTM初心者はオーディオインターフェースを持っていることが多いので、80Ω前後が使いやすくてバランスが良いでしょう。
再生周波数帯域と装着感も重要
再生周波数帯域(どの高さの音まで鳴らせるか)は、一般的に人の耳が聴こえる範囲「20Hz〜20kHz」をカバーしていれば十分です。
長時間の作業になるDTMでは装着感(側圧・重さ・イヤーパッドの素材)も非常に重要です。購入前にできればお店で試着することをおすすめします。
インピーダンスが高いヘッドホン(150Ω以上)をスマートフォンやパソコン直差しで使うと、音量が小さすぎて実力が発揮できません。オーディオインターフェースと一緒に使いましょう。
予算の目安はいくら?
DTM初心者向けモニターヘッドホンは、5,000円〜30,000円の範囲がメインです。
- 5,000〜10,000円:入門用。基本的なモニタリングには十分
- 10,000〜20,000円:コスパが高く、長く使えるモデルが多い(最もおすすめ)
- 20,000〜30,000円:プロも使うクオリティ。本格的に続けるなら
DTM初心者おすすめモニターヘッドホン7選 比較表
まずは全体の比較表で一覧確認しましょう。
| 製品名 | 価格帯(目安) | タイプ | インピーダンス | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| SONY MDR-7506 | 約10,000円 | 密閉型 | 63Ω | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| Audio-Technica ATH-M50x | 約20,000円 | 密閉型 | 38Ω | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| beyerdynamic DT 770 PRO | 約20,000円 | 密閉型 | 80Ω | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| SENNHEISER HD 280 PRO | 約12,000円 | 密閉型 | 64Ω | ⭐⭐⭐⭐ |
| AKG K240 Studio | 約8,000円 | 半開放型 | 55Ω | ⭐⭐⭐⭐ |
| RODE NTH-100 | 約20,000円 | 密閉型 | 32Ω | ⭐⭐⭐⭐ |
| YAMAHA HPH-MT8 | 約28,000円 | 密閉型 | 49Ω | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
※価格は2026年6月時点の目安です。最新価格は各Amazonページでご確認ください。
おすすめモニターヘッドホン7選 詳細レビュー
1. SONY MDR-7506 ― 世界中のスタジオで使われる定番モデル
世界で最も使われているモニターヘッドホンのひとつ。放送局・レコーディングスタジオ・ライブ現場など、プロの現場で長年愛用されています。
- 圧倒的な実績と信頼性
- 1万円前後とコスパが高い
- 折りたたみ可能でコンパクト
- 側圧が強めで長時間は疲れることも
- 高音域がやや刺さりやすい
こんな人におすすめ:まず1本目として定番を買いたい人・コスパを重視する人
2. Audio-Technica ATH-M50x ― DTM初心者に最も人気の一台
DTM初心者から上級者まで、幅広い層に支持される定番モニターヘッドホン。バランスの良いフラットなサウンドと扱いやすいインピーダンス(38Ω)が魅力。
- 初心者〜中級者に最適なバランスのよい音
- 着脱式ケーブルで断線しても安心
- 折りたたみ・回転ハウジングで携帯性も良好
- 2万円前後とやや価格が高め
- 低音が少し強調気味という意見も
こんな人におすすめ:初めてのモニターヘッドホンとして長く使いたい人
3. beyerdynamic DT 770 PRO ― 長時間作業にも快適なドイツの名機
ドイツのヘッドホンブランド「beyerdynamic(バイヤーダイナミック)」の代表作。80Ωモデルはオーディオインターフェースとの相性が抜群で、長時間作業でも疲れにくいと評判です。
- ふわふわのイヤーパッドで長時間作業が快適
- 高音域の解像度(細かい音の聴き取りやすさ)が高い
- 遮音性が高く、自宅での深夜作業にも向く
- ケーブルが着脱不可(一体型)
- 80Ωモデルはオーディオインターフェース必須
こんな人におすすめ:長時間作業が多い人・高音域の細かい音を聴きたい人
4. SENNHEISER HD 280 PRO ― コスパ重視の定番エントリーモデル
ドイツの老舗ブランド「SENNHEISER(ゼンハイザー)」のエントリーモニターヘッドホン。1万円台でフラットなサウンドと高い遮音性(約32dBの外部ノイズ低減)を両立しています。
- 1万円台とお手頃
- 業界屈指の高い遮音性
- 側圧が強く、締め付け感を感じる人も
- 音域が若干フラットすぎて地味に感じることも
こんな人におすすめ:予算を抑えつつ信頼性のあるブランドを選びたい人
5. AKG K240 Studio ― ミキシング初心者に定番の半開放型
オーストリアのブランド「AKG(アーカーゲー)」の超定番ヘッドホン。半開放型(セミオープン)のため、密閉型より自然で広がりのある音場(音の広がり感)が特徴です。
- 8,000円前後と手が届きやすい価格
- 自然な音場でミキシング作業がしやすい
- 着脱式ケーブル対応
- 半開放型なので音漏れあり・遮音性は低い
- 録音中のモニタリングには不向き
こんな人におすすめ:ミキシング作業をメインに行う初心者・コスパ重視の人
6. RODE NTH-100 ― マイクブランドが作った高品質モニターヘッドホン
マイクで有名なオーストラリアのブランド「RODE(ロード)」が2022年に発売した本格モニターヘッドホン。32Ωと低インピーダンスなのでオーディオインターフェースなしでも十分な音量が得られます。
- 非常に快適な装着感(頭の形に合わせやすい設計)
- 左右どちらのイヤーカップにもケーブル挿入可能
- クリアで細かい音まで聴き取りやすい
- 専用ケーブルのみ対応(汎用ケーブルが使えない)
- やや価格が高め
こんな人におすすめ:RODEのマイクと合わせて使いたい人・装着感を重視する人
7. YAMAHA HPH-MT8 ― フラットな音でプロに選ばれるヤマハのフラッグシップ
「YAMAHAスタジオモニタースピーカーの音をヘッドホンで」というコンセプトで開発。非常にフラットで正確な音が特徴のハイエンドモデルです。
- 高い解像度と正確なモニタリング性能
- 着脱式ケーブル・折りたたみ機能
- 長く使えるプロ品質
- 3万円前後と高価
- フラットすぎて音楽鑑賞向けではない
こんな人におすすめ:DTMを本格的に続けていくつもりの人・将来プロを目指す人
予算別!初心者が選ぶべきモニターヘッドホン
1万円以内で始めたい人へ
一番のおすすめは SONY MDR-7506 です。世界中のスタジオで長年使われてきた信頼性は折り紙付き。初めての1本として後悔しない選択肢です。
コスパ重視なら AKG K240 Studio も8,000円前後で手に入るのでおすすめです。
1〜2万円の予算がある人へ
Audio-Technica ATH-M50x か beyerdynamic DT 770 PRO が最有力候補です。
長時間の作業が多いなら装着感に定評のあるDT 770 PRO、扱いやすさ重視ならATH-M50xを選びましょう。
2〜3万円以上の予算がある人へ
YAMAHA HPH-MT8 がダントツのおすすめ。YAMAHAの技術を結集した正確なモニタリング性能は、本格的な音楽制作をサポートしてくれます。
DTM初心者が最初に買うモニターヘッドホンとして「コスパ×使いやすさ×信頼性」を総合的に考えると、Audio-Technica ATH-M50x が最も多くの人にフィットする一台です。予算に余裕があれば、ぜひ最初から手に入れることをおすすめします。
モニターヘッドホンと一緒に揃えたいDTM機材
オーディオインターフェースは必需品
DTMを本格的に楽しむなら、オーディオインターフェース(パソコンと音声機器を接続するUSB機器)は必須です。これがないとマイクや楽器の音をパソコンに取り込めませんし、モニターヘッドホンの性能も十分に引き出せません。
初心者には Focusrite Scarlett Solo や YAMAHA AG03MK2 が人気です。
DAWソフトは無料のものから始めよう
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション:音楽制作ソフト)は音楽を作るための土台ソフトです。最初は GarageBand(Mac無料)や Cakewalk by BandLab(Windows無料)から始めるのがおすすめです。
購入前に知っておきたい注意点
「モニター用」と「リスニング用」を混同しない
モニターヘッドホンは正確さを重視するため、音楽を楽しく聴くためのヘッドホンとは性格が異なります。「DTM作業中はモニターヘッドホン、音楽鑑賞は好みのヘッドホン」と使い分ける方も多いです。
耳を守ることも大切
長時間の大音量での使用は聴覚疲労や難聴(聴力の低下)につながることがあります。適度な音量・休憩を心がけてください。一般的に85dB以下・1時間ごとに5〜10分の休憩が推奨されています。
ヘッドホンで大音量の作業を続けると、耳が疲れて音の判断力が鈍くなります。「音量は低めで細部まで聴き取れる環境」を心がけると、制作クオリティも耳の健康も守れます。
まとめ
- モニターヘッドホンはDTMに必須の「正確な音を聴くためのヘッドホン」
- 初心者には密閉型が遮音性・使いやすさの面でおすすめ
- 予算1万円以内なら SONY MDR-7506
- コスパ最強の初心者向けなら Audio-Technica ATH-M50x(1〜2万円)
- 長時間作業・快適さなら beyerdynamic DT 770 PRO(1〜2万円)
- 本格的に取り組むなら YAMAHA HPH-MT8(2〜3万円)
- オーディオインターフェースと組み合わせると性能を最大限発揮できる
モニターヘッドホンは、DTMを続ければ続けるほど「買ってよかった」と実感できる機材です。音楽制作の出発点として、まず1本手に入れてみてください。
迷ったら Audio-Technica ATH-M50x が初心者に最もおすすめです。ぜひAmazonで最新価格をチェックしてみてください!
記載の価格は2026年6月時点の目安です。最新の価格・在庫状況は各Amazonページおよびメーカー公式サイトでご確認ください。

コメント